グランドピアノ譜面台の開発
~新規開発譜面台による音響効果~
整理番号:2016-022
研究者名: 亀井 延明(Nobuaki Kamei)
所 属: 理工学部 総合理工学科 機械工学系 教授
専門分野: 人間工学、遠隔医療、機械力学、CAD/CAM、競技車両設計・制作
キーワード: グランドピアノ、譜面台、反響音、音域
研究概要
グランドピアノから演奏者へ到達する演奏音には、大屋根等に反射した後に演奏者へ到達する反射音と、演奏者に直接到達する直接音とが含まれる。しかし、譜面台を備え付けた場合、直接音の到達が妨げられるおそれがある(図1左と中央)。そこで、明星大学藝術音楽録音研究会にて、藝術音楽のCDを作製する過程で、グランドピアノ用譜面台を開発し、その効果を明らかにした。
以下に譜面台開発で検討した結果を示す。
- 重さを1.5 kg以内を目標仕様とした。材質をアルミとし、厚みを2 mmとした結果、1.3 kgとなった(図1 右)。
- 弦の上部にピアノ共鳴板として梁が突き出ている部分に載せるようにした。また、ピアノとの接触部は、弦の上の梁とピアノの鍵盤の上の外側部分に譜面台の下部にゴムを貼り付け、譜面を載せて固定した。実際の演奏でも、譜面台が動かないことを確認した。
- 1/3オクターブ解析を行った結果、L(左)とR(右)での全音域の最大値は、譜面台なしの場合とほぼ同等の結果となった(表1、図2)。
- 今後、材質を木製に替えるなど検討し、本番にも対応できるような譜面台にする。
表1 振動数による音域の設定
応用例・用途
- グランドピアノ演奏会でも、反響音を損ねることなく使用可能な譜面台作製の可能性がある。
- 発明の名称:グランドピアノ用譜面台(特願2013-168222)
研究設備
- 3Dプリンタ
- CAM
- 3D-CAD(CATIA V5)