有機金属錯体によるナノワイヤーの創生
~機能性分子のナノワイヤー化とその特徴~
整理番号:2016-017
研究者名: 西條 純一(Junichi Nishijo)
所 属: 理工学部 総合理工学科 生命科学・化学系 教授
専門分野: 分子性磁性体、分子性導体
キーワード: 有機金属錯体、ナノワイヤー
研究概要
各種有機分子にエチニル基を導入し、銅(I)または銀(I)イオンとの錯体(=アセチリド)とすることで、ナノワイヤー化することに成功しました(図1)。また、機能性分子をナノワイヤー化し、その特性も調べましたので、その例を紹介します。
金属イオンの種類や有機化合物の構造によってはナノワイヤーの出来具合が異なります。我々の研究室で調べた15種類の分子の内、部分的なもの(3種類)も含めてナノワイヤー化は、11種類となり、汎用性が高い方法といえます。
- 銀フェニルアセチリドを使用したナノワイヤーの作成方法を図2に示します。錯体を合成しただけではナノワイヤー化しなかった分子であっても、再結晶することによってナノワイヤー化が可能であることが分かりました。
- 機能性分子として、蛍光性のあるフェナントレンを持つ金属アセチリドを使用した例を図3に示します。銀錯体の場合は蛍光を呈しませんでしたが、銅錯体の場合は、蛍光を呈しました。
応用例・用途
- 分子の形状にほとんど依存しない統一的な手法でナノワイヤー化することが可能です。
- 様々な機能を持ったナノワイヤーの迅速な開発が可能となります。