変異・融合酵母による草本系バイオマスからのエタノール発酵技術の開発
整理番号:2016-066
研究者名: 田中 修三(Shuzo Tanaka)
所 属: 理工学部 総合理工学科 環境科学系 教授
専門分野: 応用発酵工学、水環境学
研究者HP: http://www.hino.meisei-u.ac.jp/es/staff/mizu-bio/
キーワード: バイオエタノール、キシロース代謝、変異・融合技術、草本系バイオマス
研究概要
草本系バイオマスである稲藁を原料として、食料との競合や農地の乱開発を起こさないバイオエタノール生産をめざし、前処理による結晶構造の改変、低温高活性酵素による糖化及び変異・融合酵母による糖発酵を行う高度エタノール発酵技術を開発する。
具体的には、エタノール発酵の障害となる稲藁のリグニンや結晶構造による難分解性及びSaccharomyces酵母が資化しないキシロースの生成等の技術的課題に対して、本研究では亜塩素酸塩による脱リグニンと重曹熱処理による結晶構造の改変、Trichoderma変異株による低温高活性セルラーゼの産生・糖化及びSaccharomyces変異株とキシロース資化性Candida変異株による変異・融合酵母の獲得・発酵を行い、課題の解決を図る。全体目標として、稲藁の糖化率90%以上、30℃高活性のセルラーゼの産生及びエタノール転換率0.4(kg/kg稲藁有機分)を達成することをめざし、稲藁などの草本系バイオマスを原料として、これらの要素技術を統合した高度並行複発酵(SSF)プロセスを開発する。
応用例・用途
- 未利用の草本系バイオマス
- 残材・廃材等の草木質系廃棄物からのバイオエタノール生産
研究施設
- 各種発酵実験設備: ジャーファーメンター、PCR、電気泳動装置、タンパク分離精製装置など
- 各種分析装置: LC-MS/MS、GC-MS、HPLC、FPLC、ICP-MS、FT-IR、SEMなど