太陽電池パネルの発電量を最大化する方法
~気象環境の変化に追従した発電量制御技術~
整理番号:2016-047
研究者名: 星野 勉(Tsutomu Hoshino)
所 属: 理工学部 総合理工学科 電気電子工学系 教授
専門分野: 物性II、電力工学・電気機器工学、電子・電気材料工学
キーワード: 太陽光発電、最大電力追従、増分コンダクタンス、制御アルゴリズム
研究概要
再生可能エネルギーとして、太陽光を利用する太陽光発電の近年の進歩は目覚ましいものがあります。太陽電池パネルの発電量は、太陽光照度のみならず、温度や雲量といった諸条件にも大きく左右されます。そこで、太陽電池パネルの効率を改善する方法として、我々が開発しました最大電力追従技術(MPPT: Maximum Power Point Tracking)について紹介します。太陽電池パネルの最大電力を日射変動があっても常に最大化できように負荷インピーダンスを制御するアルゴリズムが最大電力追従技術で、最大発電量を確保できるようになります。
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太陽電池パネルが出力を最大化できる電流と電圧の関係を図1に示します。
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最大電力追従増分コンダクタンス法は、P-V曲線の傾きが最大電力点でゼロになる特性を利用した制御法です。温度や雲量等の諸条件が変化しても、逐次最大電力点に達するまで動作電圧を調整して、出力する電力の効率を大幅に向上できることが明らかになりました(図2)。
応用例・用途
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太陽電池パネルの出力電流の効率を大幅に向上できます。本技術は、1200編以上の論文に引用されています(T. Hoshino, et al., IEE Proc.-Gener. Transm. Distrib., 142, 59, 1995)。
研究設備
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極低温実験装置
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温度・電位差同時測定装置
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極低温冷凍機
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波形記録装置(8ch, 16ch)