距離空間における非言語コミュニケーション ~数学的モデルによる拡張現実の創生を目指す~(情報学科 尼岡利崇)

距離空間における非言語コミュニケーション
~数学的モデルによる拡張現実の創生を目指す~

整理番号:2016-104


研究者名: 尼岡 利崇(Toshitaka Amaoka)
所  属: 情報学部 情報学科 教授
専門分野:インタラクティブメディア、ヒューマンコンピュータインタラクション、情報可視化、情報デザイン、インタラクティブアート
キーワード: インタラクティブシステム、エンタテインメントコンピューティング

 研究概要

人々はグループ内で互いに一定の距離を保ち、最も居心地の良い環境にいようとします。また、この距離は相互の関連性を反映して、時間が経つにつれてその距離に変化が生じます。そのような距離空間における人同士の非言語コミュニケーションを解析することにより、人同士の関連性を理解することができます。我々の研究室では、非言語コミュニケーションにおけるこのような空間(個人空間)概念に対して数学的モデルを提案し、仮想現実や人-コンピュータ間相互作用への応用に取り組んでいますので、一部の内容を紹介します。

■視線の方向性に基づいて個人空間モデルを作成

  • 前面の空間を他の面より広くとる(図1左)
  • 視線の方向性:知り合い、話し合いたいときはqの角度が小さくなる(図1右:矢印の視線方向と対人の角度)
  •  人と自律型仮想エージェントの行動パターン現実の一部をコンピュータにより改変された世界を創出実世界における位置関係(図2)を保持しつつ、人が自由行動しても自律型仮想エージェントはより居心地の良い方向に向かって行動する(図3)

    図1 個人空間モデルと 互いの視線の方向性

 

図2 カメラ配置 Camera 1:人の方向 Camera 2-4:顔の検知と視線の方向推定

図3 2人の人と5つの自律型仮想エージェントの行動パターン

3写真の説明:赤と緑の仮想エージェントは赤枠の人を知っており、黄、青と水色の仮想エージェントは黄枠の人を知っている。各グループは互いに知らないと仮定し、人は自由行動、仮想エージェントは居心地の良い方向に向かって行動と仮定する。

応用例・用途

  • 非言語コミュニケーションを数値シミュレーションすることにより、バーチャルリアリティ世界の創出、直観的な人とコンピュータのコミュニケーション、人とロボットとの共生等を実現できます。