鋼橋の補修・補強工事用ねじ ~スレッドローリングねじで接合された継手の静的強度~(建築学系 鈴木博之)

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鋼橋の補修・補強工事用ねじ
~スレッドローリングねじで接合された継手の静的強度~

整理番号:2016-095


研究者名:鈴木 博之(Hiroyuki Suzuki)
所  属: 理工学部 総合理工学科 建築学系 教授
専門分野:鋼構造学、橋梁工学、維持管理工学
キーワード:鋼部材、補修、補強、スレッドローリングねじ、片面施工

研究概要

鋼橋の補修・補強工事において、閉断面を伴う部材の補強方法として、片側から鋼部材の接合が可能なスレッドローリングねじ(図1)が知られています。接合される部材は、ねじ径より大きな孔を明けた上板とねじ径より小さい孔を明けた下板から成り、スレッドローリングねじが下板の孔にタップを切りながら進み、上板と下板を接合します(図1)。我々は、スレッドローリングねじ接合継手の力学的性状について検証を行いましたので、以下に静的強度について紹介します。

引張強度及びせん断強度の測定(図2):各種の下板孔径での板厚と最大荷重の関係

  • 引張強度:板厚が厚くなるにつれて最大荷重は大きく増大し、下孔径が小さくなるにつれ最大荷重が増加(図3)
  • せん断強度:板厚が厚くなるにつれて最大荷重は大きく増加し、板厚4.5 mmと6.0 mmの最大荷重では大きな変動なし(図4)

 

 

図1 スレッドローリングねじと接合状態及び接合方法ねじ径:mmf

図2 試験片と試験片載荷状況
引張強度試験(左)とせん断強度試験(右)
試験片を上下に引っ張り、ねじに引張荷重を作用
試験片を上下に引っ張り、ねじにせん断荷重を作用

図3 引張強度:板厚と最大荷重
ねじ径:10 mmφ
上板孔径:11 mmφ

図4 せん断強度:板厚と最大荷重
ねじ径:10 mmφ
上板孔径:11 mmφ

応用例・用途

  • 鋼橋を補修・補強するに当たり、スレッドローリングねじを使うことで片面施工が可能となり、且つ十分な静的強度を持たせることができます。疲労強度については、現在検証中です。

研究設備

  • 1,000 kN万能試験機
  • 200 kN及び300 kN疲労試験機
  • 大型構造物疲労試験機