都市域でのヒートアイランド現象を緩和する~都市気候・建物エネルギー連成数値モデルの開発と適用~(環境科学系 亀卦川幸浩)

都市域でのヒートアイランド現象を緩和する
~都市気候・建物エネルギー連成数値モデルの開発と適用~

整理番号:2016-055


研究者名: 亀卦川 幸浩(Yukihiro Kikekawa)
所  属: 理工学部 総合理工学科 環境科学系 教授
専門分野:都市気象・熱環境学、環境動態解析、エネルギー学
キーワード:地球温暖化、人工排熱、ヒートアイランド現象、連成数値モデル、高温化現象緩和

研究概要

多くの巨大都市域では、地球温暖化に加え、都市自身が作り出す高温化現象(ヒートアイランド現象)によって、冷房の増エネルギーに伴うCO2排出量の増加や、異常高温(熱波)による熱中症被害の拡大、都市型集中豪雨の激化等、様々な環境被害が生ずることが懸念されている(図1)。
都市の気候・熱環境とエネルギー需要の相互作用過程のモデリングとその省エネルギー・温暖化対策の評価や将来気候変動予測等への適用を明らかにするため、我々が開発した都市気候・建物エネルギー連成数値モデル(MM-CM-BEM注)、図2)により解明している。
国内外の大都市を中心に、①将来気候変動予測、②ヒートアイランド対策、③都市緑化や人工排熱の削減による将来都市気温の低減と熱中症などの健康被害リスクの軽減等について、研究を行っている。

注) :メソスケール気象モデル*(Meso-scale Meteorological Model)– 鉛直一次元都市キャノピーモデル**(Urban Canopy Model)– 建物エネルギーモデル***(Building Energy Model) *:地域の格子間隔を2 kmと密にした気象モデル**:都市表面の道路・壁・屋根を均質化して熱収支を計算する手法(図2参照)***:新たに開発したモデル(図2参照)

図1 都市高温化と冷房エネルギー需要増のフィードバックプロセス

図2 結合モデルシステムの構成

応用例・用途

  • 都市域での気候変動がもたらす社会影響を緩和する方策として有効な手段となる。

研究設備

  • 超音波風速計、各種日射計などの気象計測器