建築構造物の地震被害軽減へ向けて
~三方向同時加振振動試験装置で分かること~
整理番号:2016-077
研究者名: 年縄 巧(Takumi Toshinawa)
所 属: 建築学部 建築学科 教授
専門分野: 構造工学・地震工学・耐震工学・維持管理工学、地盤工学
キーワード:木造建築物,制振,スロッシング,減衰,低コスト
研究概要
私達の研究室では、地震被害を軽減するために、都市構造物や地盤の振動特性の調査や地域の地震危険度評価を行っている。具体的には、三方向同時加振振動試験装置(以下、3次元振動台)を用いた構造物の振動実験、建物や地盤上における地震観測、高感度地震計を用いた建物や地盤の振動観測、コンピュータによる構造物や地盤の数値解析、GIS注1)による都市域の地震危険度マップの作成を行っている。ここでは、3次元振動台を使って何が分かるかを説明する。
3次元振動台の特徴
- 水平・垂直の三方向同時加振用電動型振動試験装置
振動方向:水平二方向と垂直方向で、3軸同時、2軸同時、または1軸の加振が可能
水平・垂直各々の固定周波数、周波数掃引等の正弦波試験、ランダム波試験、地震波再現試験等を実行できる - 振動台の広さ:3,000 mm X 3,000 mm、
大型堅牢な構造 - 長寿命運転及び低ランニングコスト
入力波形に対する忠実度が高く、
摩耗部分がない
3次元振動台で何が測定できるか
- 各種構造物の地震応答模擬試験
- 各種構造物・製品の正弦波応答試験
または耐久性試験 - 各種地震計や加速度センサの校正
- 梱包物や製品等の輸送試験
注1):地理情報システム、様々な情報を地図の上に重ね合わせて関連性を明確化及び視覚化させるシステム
応用例・用途
- 建物等の構造物の地震応答特性を把握でき、耐震・制振のための機構を開発できる。
- 建築模型を用いた模擬実験を行うことで、建築物の地震時挙動を予測することが可能となる。
研究設備
- 3次元振動台
- 強震観測装置
- 高感度振動計測システム
- 水平加力試験装置
- 可搬式起振器
- モーションキャプチャ