化学 – 生物相補的合成プロセスによる 有用物質の合成(生命科学・化学系 冨宿賢一)

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化学 – 生物相補的合成プロセスによる 有用物質の合成

整理番号:2016-021


研究者名: 冨宿 賢一(Kenichi Fuhshuku)
所  属: 理工学部 総合理工学科 生命科学・化学系 准教授
専門分野: 有機化学、酸素化学、応用微生物学
キーワード: 生体触媒、酸素、微生物、光学活性物質、生物活性物質、不斉合成、光学分割

研究概要

生体内で様々な代謝反応をつかさどる酵素を用いる物質変換法は、温和な条件下で利用可能であり、環境にやさしく省エネルギーを可能にします。我々は、環境調和型の物質合成プロセスの基盤となる、新規かつ斬新な酵素・微生物触媒反応を開発し、化学‐生物相補的合成プロセスとして有用物質の合成へと展開する研究を進めています(図1)。有機化学や酵素化学、応用微生物学等の知識や技術を最大限に用い、研究を行っています。その一例について紹介します。
カルボニル化合物の不斉還元を可能とする新規な微生物を探索し、各種の光学活性なアルコールを合成しました。次に、合成した光学活性なアルコールに対する新規な化学変換を開拓することによって、有用物質を合成した例について説明します。

  • プロキラルなカルボニル化合物に作用する微生物を探索し、酵母の一種Torulaspora delbrueckiiを選択し、不斉還元を行いました(図2)。
  • 還元され生成したアルコールは、分子内環化反応を経て、光学的に純粋な二環性化合物へと変換しました。また、ラジカルb-開裂などの化学変換を開発し、インターロイキン6の活性阻害剤マジンドリン Aの形式全合成に成功しました(図2)。
図1 化学‐生物相補的合成プロセス目的とする有用物質の合成プロセス例 酵素法と化学法を使い分けて効率的に合成

図1 化学‐生物相補的合成プロセス 目的とする有用物質の合成プロセス例 酵素法と化学法を使い分けて効率的に合成

図2 微生物反応と有機合成を活用したマジンドリン Aの合成

応用例・用途

  • 独自に見出した酵素反応を鍵段階として、様々な有用物質の効率的な合成を可能にします。
  • 各種の特許を取得していますので、効率の良い合成法を提案できます。