チップからボード、ケーブルまでのSI、PI一環設計 ~エバネッセントエネルギー、プラズモニクス等の利用~(連携研究センター主幹研究員 大塚寛治)

チップからボード、ケーブルまでのSI、PI一環設計
~エバネッセントエネルギー、プラズモニクス等の利用~

整理番号:2016-113


研究者名: 大塚 寛治(Kanji Ootsuka)
所  属: 連携研究センター 名誉教授、特別顧問、主幹研究員
専門分野:電気電子工学、電子・電気材料工学、電子デバイス・電子機器、
通信・ネットワーク工学
キーワード:電子材料工学、マイクロエレクトロニクス工学、コンピュータハードウェア工学

研究概要

当研究室は長年、実践で鍛えたベテラン技術者によるシステムニーズからチップ、ボード、ケーブルまでのシステムのコンカレントな設計を行う能力を備えています。我々の研究室では、新しい概念「エバネッセントエネルギー、プラズモニクス、及びスピントロにクス」を利用しています。また、インターボーザ注1)配線特性を考え、チップからボード、ケーブルまでのSI注2) 、PI注2)の一環設計を行っています。一環設計では、3次元電磁界ソフト注3)、PIソフト注3)とSPICE注4)連成技術を駆使して最適化しています。エバネッセント波注5)を利用したインターネットケーブル設計について紹介します。

最近の新規テーマを以下に示します。

  • エバネッセント波利用のインターネットケーブル
  • プラズマ放電利用
  • 乗算機などの新規演算アルゴリズム
  • 高速低消費電力CMOS I/O回路
  • BCH符号化技術

注1):チップのパッド間隔を基板で処理しやすいパッド間隔やピン並びに変換する中継配線部品
注2):SI(Signal Integrity)は信号の整合性、PI(Power Integrity)はDC電源のドロップダウン、デカプリング、ノイズのこと
注3):3次元電磁界ソフトとしてMW StudioとHFSS、PIソフトとしてPower SIとSentinel PI
注4):Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis、電子回路のアナログ動作をシミュレーションするソフト
注5):電磁波が特定の条件下で反射して放出される電磁波

図1 ボード、ケーブル設計の一例

図2 エバネッセント波測定例(ケーブル68 m測定例)

応用例・用途

  •  システムのコンカレント設計
  • エバネッセント波を利用した高速・長距離信号伝送技術

研究設備

  •  10 GHz以上のデジタル波形測定装置
  • 20-50 GHzのベクトルネットワークアナライザなど高速信号系の測定装置