LSIを構成するIP回路ブロックの開発 ~新機能・高性能セルライブラリの構築による応用展開~(連携研究センター主幹研究員 大塚寛治)

LSIを構成するIP回路ブロックの開発
~新機能・高性能セルライブラリの構築による応用展開~

整理番号:2016-112


研究者名: 大塚 寛治(Kanji Ootsuka)
所  属: 連携研究センター 名誉教授、特別顧問、主幹研究員
専門分野:電気電子工学、電子・電気材料工学、電子デバイス・電子機器、
通信・ネットワーク工学
キーワード:電子材料工学、マイクロエレクトロニクス工学、コンピュータハードウェア工学

研究概要

当研究室は長年、実践で鍛えたベテラン技術者によるコンピュータアーキテクチャ、システム・回路設計、高速信号伝送・電源設計能力を備えています。最近のIP注1)として、検索エンジン、メモリ・論理共役コンピュータ、高解像度タッチパネルシステムがあります。また、技術として、28 Gbps(Gigabits per second)以上の低消費電力I/Oシステムがあります。
I/Oインターフェイスの各要素の基本となる回路・システム設計の一例を紹介します。

  • 回路は全て既存IPを使わず、オリジナルなデバイス・回路設計(図1) 微細プロセスを採用しなくても28 Gbpsシステムが可能
  • 最近の注目システム その1メモリ・論理共役回路(図2)人間の脳のニューロンと同様、回路そのものが論理であり、メモリであるダイナミックコンフィギュレーションの究極を行く回路
  • 最近の注目システム その2 検索エンジン:Axonerve(図3)クラウドコンピューティングの時代になり、高速大容量ネットワーク(Internet環境)に必須のルータやスイッチに多用されている検索エンジンの一つContents Addresable Memory(CAM)の新アルゴリズムで、低電力エンジンもIPとして開発完了間近

注1):Intellectual Properties、半導体分野ではLSI(大規模集積回路)を構成する機能ブロックをいう

図2 最近の注目システムその1
メモリ・論理共役回路

図3 最近の注目システムその2
検索エンジン:Axonerve

応用例・用途

  •  新機能・高性能セルライブラリ構築により、新しい電子制御装置の開発が可能
  • アジアにおけるIEEE活動に多大に貢献により、Regional Contribution Awardを受賞(2014年)

研究設備

  •  10 GHz以上のデジタル波形測定装置
  • 20-50 GHzのベクトルネットワークアナライザなど高速信号系の測定装置