現代社会における「集まり祈る空間」の設計~幼稚園に隣接した教会と修道院の設計~(建築学部 村上晶子)

現代社会における「集まり祈る空間」の設計
~幼稚園に隣接した教会と修道院の設計~

整理番号:2016-092


研究者名: 村上 晶子(Akiko Murakami)
所  属: 建築学部 建築学科 教授
専門分野:建築設計、建築意匠
キーワード:建築意匠、教会建築

研究概要

「集まり祈る空間」の歴史的、社会内成立性を踏まえて、教会建築の生成過程のプログラムに着目し、現代社会における設計行為と設計方法について研究し活動しています。聖アウグスチノ会の修道院を併設する笹丘カトリック教会を幼稚園に隣接する敷地に設計したので報告します。教会及び修道院の設計に当たり、①礼拝空間の確保、②幼稚園活動の一環としての教会利用、平日の幼稚園送迎及び幼稚園行事の際に利用する駐車場の確保、の条件を満たすことに配慮して、以下の特徴を持つものを設計しました。

  • 翼を広げたようにおおらかに構えてその中心に聖堂を配置し、その両翼に修道院と教会信徒会館を設置(図1)
  • 幼稚園へのアプローチも分かり易く前庭を広くとる設計
  • 内陣後方にイエス像の十字架、その上方に天窓を設置し、気持ちが天に向かうように設計、正面の壁は白煉瓦を積んだ繊細な仕上がり(図2左)
  • 信徒席の周囲は木の空間、後方の高窓に聖堂全体を包み込む聖母マリアをイメージしたステンドグラスを配置(青い衣をイメージした光環境、図2右)

図1 笹丘カトリック教会と併設する修道院 聖堂(中央)、修道院と教会信徒会館 (それぞれ、聖堂に向かって右翼、左翼)

図2 聖堂内陣(左)及び信徒席とステンドグラス(右)

応用例・用途

  •  現代社会における教会設計を行うことで、単に「集まり祈る空間」を創造するのみならず、一般建築物についても美しい環境を創造することが可能となります。