ビーム走査可能な漏洩波アンテナの開発 ~電圧制御による全方向へのビーム走査を実現する~(電気電子工学系 小寺敏郎)

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ビーム走査可能な漏洩波アンテナの開発
~電圧制御による全方向へのビーム走査を実現する~

整理番号:2016-052


研究者名: 小寺 敏郎(Toshiro Kodera)
所  属: 理工学部 総合理工学科 電気電子工学系 准教授
専門分野:マイクロ波デバイス・アンテナ工学、人工電磁材料
キーワード:マイクロ波ミリ波素子、機能性アンテナ素子、人工電磁材料

研究概要

我々の研究室では、磁性体を一切含まない非可逆メタマテリアル(a magnetless non-reciprocal metamaterial、MNM、図1)の技術を開発し、人工的なジャイロ磁性特性を創出してきました。MNM により構成される非可逆性を有する電圧走査可能な漏洩波アンテナについて研究を行い、ビーム走査の可能性を見極め、その特性を実験により評価しましたので紹介します。

電圧制御によるビーム走査可能な漏洩波アンテナ注1)(図2)

  • MNM の基本構造にバラクタダイオード注2)を装荷することで実現シミュレーション検討結果
  • 7 GHz において30 から60 のビーム走査が可能であることを確認実験による特性評価結果
  • シミュレーション結果との良好な一致を確認

注1):電圧制御による漏洩波(伝送線路から外部に向けて放射しながら伝搬する電磁波)の放射方向可変可能なアンテナ
注2):端子に加える電圧によって静電容量が変化する可変容量ダイオード

 

図1 MNM の基本原理
(a) 単向性素子を装荷した進行波共振器によるMNM の基本セル
(b) 共振器内に励起される電磁界と回転磁化

 

 

図2 電磁界モデル(上)と放射ビーム走査漏洩波アンテナ(下)

図3 アンテナの放射パターンのシミュレーション結果 (a)
平面のときの放射パターン(b) 3D 放射パターン

図4 放射パターンの測定結果

 応用例・用途

  • 人工的なジャイロ磁性特性により、小型化、軽量化を実現できます。また、集積回路製造技術をそのまま応用可能ですので、低コスト化も同時に実現できます。
  • 磁石の存在が実現を阻害していた広帯域放射特性を有する漏洩波アンテナを開発できます。

 研究設備

  • 各種ベクトルネットワークアナライザ、スペクトラムアナライザ、各種信号発生装置、放射パターン測定装置、マイクロ波基板加工機、 3Dプリンター等