スプラッシュ現象を科学的に解明する~実験を数値シミュレーションで再現する~(情報学科 横山真男)

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スプラッシュ現象を科学的に解明する
~実験を数値シミュレーションで再現する~

整理番号:2016-099


横山先生-顔写真

研究者名: 横山 真男(Masao Yokoyama)
所  属: 情報学部 情報学科 准教授
専門分野:音楽情報、数値流体シミュレーション
キーワード: 楽器音響、自動作曲、数値流体工学、粒子法、ヒューマンインタフェース

 研究概要

物体が液面に衝突することにより発生するスプラッシュ現象は広く知られています。我々の研究室では、表面性状の違いによる抵抗低減効果について研究を行っています。アクリル製の球体とゲル素材の球体を水面へ落下させる現象について、ハイスピードカメラによる分析と粒子法注)による数値シミュレーションを用いて、スプラッシュの形状と周囲流体の速度を比較検証しました(図1)。アクリル製とゲル素材の球体を水面へ落下させる現象を、ハイスピードカメラによる分析と粒子法による数値シミュレーションにより、スプラッシュの形状と周囲流体の速度を比較検証(図1、図2)

  • 最初のスプラッシュ(Primary Splash):膨潤度が上昇しても到達点に変化なし(図3)静水面へのインパクトは落下速度と形状に依存
  • 二度目のスプラッシュ(Secondary Splash):膨潤度に依存して到達点も上昇(図3)膨潤度があがるとすべりが増加⇒物体の沈降及び周囲流体の速度上昇
  • 膨潤度上昇により水中での物体の落下速度も上昇ゲル表面の滑り効果により水中に早く潜れる

注):計算対象物を粒子の集まりとして表わし、方程式を解くための離散化手法の一つ代表的なもの:MPS(Moving Particle Semi-implicit)法

図1 膨潤度100の寒天ゲル球(左)とアクリル樹脂球(右)によるスプラッシュの違い

図1 膨潤度100の寒天ゲル球(左)とアクリル樹脂球(右)によるスプラッシュの違い

図2 数値シミュレーションによる物体の表面の特性を考慮したスプラッシュ形成の様子

図3 スプラッシュ到達点の最大値と膨潤度(S)の関係膨潤度:ゲルに含まれる含水量、S = (mwater + mgel)/mwater

図3 スプラッシュ到達点の最大値と膨潤度(S)の関係 膨潤度:ゲルに含まれる含水量、S = (mwater + mgel)/mwater

応用例・用途

  • 人やカエルや水鳥などが水に飛び込む時のスプラッシュ現象の解析に役立てられます。
  • ものづくり、スポーツ工学、動物生態研究等、多くの応用分野へ寄与できると予想されます。
    例えば、船体先頭部の造波抵抗低減を最適化することが可能になります。

研究設備

  • ハイスピードカメラ
  • 3Dプリンタ
  • 高速フーリエ変換アナライザ
  • 大規模並列計算(MPS法)ソルバ