感性工学による高音質音楽用CDの開発
~録音技術のあり方と音楽表現の可能性~
整理番号:2016-024
研究者名: 亀井 延明(Nobuaki Kamei)
所 属: 理工学部 総合理工学科 機械工学系 教授
専門分野: 人間工学、遠隔医療、機械力学、CAD/CAM、競技車両設計・制作
キーワード: 藝術音楽、演奏家、官能評価
研究概要
藝術音楽のCD等、録音物において、「作り手」の録音制作者と「受け手」である演奏家、一般聴衆の間に、その音質及び音のバランスに対する価値基準に乖離が生じている(図1)。明星大学藝術音楽録音研究会では、録音技術のあり方、音楽表現の可能性について研究を行ってきた注1)。優れた演奏家の紹介を兼ねて、実際のもの作りとしてのCD制作を始め、産学連携を通して現在までに4枚のCDを企画、制作、販売を行ってきた注2)ので、その一端を紹介する。
- 参加した演奏家は、ステージにおける演奏調整及び録音を聴くことにより、演奏を客観的に捉える機会となり、今後の演奏活動に大変役立ち、新たな視野を獲得できた(図1)。
- 録音エンジニアは、暖めていたアイディア、録音環境及び録音技法が音楽表現に及ぼす影響について、確認する機会となった(図1)。
- ピアノを用いる録音制作の場合、ホールの音響特性、演奏作品、当日の温度や湿度等、環境が異なる中で、ピアノの脚に付属するキャスターの向きを調整することは、録音をする上で重要な要素となることが官能評価から明らかになった(図2)。
注1):カワイサウンド技術・音楽振興財団からの研究助成に基づいた研究
注2):販売元:ラッツパックレコード、演奏家:ミハイル・カンディンスキー(ピアノ)、他2006年より逐次販売開始。4枚目の「マタニティーコンサート」(発売日:2013年10月)は、株式会社デラより共同制作し、約1万枚販売
応用例・用途
- 藝術音楽と録音の関係性を軸に、演奏家同士の出会いと優れた録音制作の実現という良循環を作り出すことが可能となる。
研究設備
- 藝術音楽録音研究会(http://www.hino.meisei-u.ac.jp/me/kamei/index.htm)の常設