超音波を用いた化学反応(ソノケミカル反応)
整理番号:2016-013
研究者名: 原田 久志(Hisashi Harada)
所 属: 理工学部 総合理工学科 生命科学・化学系 教授
専門分野: 物理化学、機能物質化学、機能材料・デバイス、触媒・資源化学プロセス、光電気化学
キーワード: 超音波光触媒反応、過酸化水素発生、超音波霧化、ソノルミネセンス、ミクロ高温・高圧極限化学反応場
研究概要
超音波照射が化学反応を起こす過程やそれを利用した化学反応(ソノケミカル反応または光触媒反応系との複合化による超音波光触媒反応)についての研究
概要
超音波を液体に照射すると、溶液中では疎密波の通過に伴い無数のCavity(空洞・空泡)が生成しそれらが崩壊する過程、すなわちCavitation(キャビテーション)が起こります。このキャビテーション時には、微小ジェット流による強い力学場が生成し、短寿命の急加熱・急冷現象も生じ、ミクロ領域ではありますが数千度・千気圧にも達する高温・高圧場が生まれます。前者が超音波照射による物理作用、後者が化学作用の源泉です。これらの作用により化学結合の切断・組み換え、いわゆるソノケミカル反応が発現されたり、反応速度が加速されたりします。
以下に現在の研究テーマを示します。
- ミクロ領域極限化学反応場の利用
- オンサイト過酸化水素製造(使用現場での強力酸化剤生成)
- 水からの水素発生(水素の分離生成)
- 二酸化炭素の再資源化(二酸化炭素の還元、光と超音波による有機化合物の生成)
- 超音波と光触媒反応の相乗効果
- 環境浄化(環境汚染物連続分解装置考案)
- 物質創成(光触媒など)
応用例・用途
- 超音波技術を用いた製品開発 (食品の製造過程サポート、機能水の生成、化粧品など)
研究設備
- ソノケミカル反応装置
- ソノルミネッセンス観測装置
- 超音波霧化装置