漏洩同軸ケーブルの高性能化に関する研究(連携研究センター 楊 暁冬)

漏洩同軸ケーブルの高性能化に関する研究

整理番号:2016-111


研究者名: 楊 暁冬(Xiaodong Yang)
所  属: 連携研究センター 客員教授
専門分野: 放射線路、数値解析
キーワード: 高性能化漏洩同軸ケーブル(広帯域化、低損失化、高品質化)、列車無線システム

研究概要

 地下鉄やトンネル内などの空間電磁場が到達できない所で広く利用される漏洩同軸ケーブルには、我が国で利用されている放射形線路と欧米で利用されている表面波線路の2種類がある。表面波線路は、線路に接近することによって線路支持物、線路に近い地表や壁面、線路近傍の構造物などによって線路周囲の電磁界が乱され、伝送特性及び伝送距離が大幅に変化し、布設環境条件の影響などを受け易いという課題がある。一方、放射形線路は、それらの問題はないが、漏洩させるスロットのピッチとケーブル内波長の関係で、共振点を起こし易い、通信障害などの悪影響が生じる。今回放射形線路に対してこれまでの特徴を生かしつつ、通信障害等を解決し、高性能化漏洩同軸ケーブル(広帯域化、低損失化、高品質化)が研究開発目的である。

写真: 漏洩同軸ケーブル

写真: 漏洩同軸ケーブル

応用例・用途

東北新幹線では、全線にわたってLCXを布設した新しい方式の列車無線システムが採用されていた。これは、回線品質、機能、周波数利用効率などの面で優れた画期的な無線システムである現在では、新幹線や地下鉄で全線LCX方式の実用化をはじめとして、種々の移動通信にも適用されるに至っている。