音質の違いを周波数で解析する
~ヴァイオリンとチェロを用いた音質の評価法~
整理番号:2016-097
研究者名: 横山 真男(Masao Yokoyama)
所 属: 情報学部 情報学科 教授
専門分野:音楽情報、数値流体シミュレーション
キーワード: 楽器音響、自動作曲、数値流体工学、粒子法、ヒューマンインタフェース
研究概要
年代の異なるオールドヴァイオリン(図1)から新作ヴァイオリンまでの音色には違いがあることは知られていますが、音色にどのような違いがあるのかは分かっていませんでした。また、チェロには、一般的に弾かれているアコースティックチェロと、静かに練習するサイレントチェロがあります(図2)。時間や場所を気にせずに弾けるため、サイレントチェロを使う人が増えています。これら二つのチェロには、どのような音や特徴の違いがあるのか明らかではありません。我々の研究室では、それぞれの音の周波数に着目して、プロの演奏家に弾いてもらうことによりデータを収集比較して、音の特徴や違いを明らかにしました。
ヴァイオリンをプロの演奏家にコンサートで演奏するように弾いてもらう
- 収録データの周波数解析から得られたスペクトル図を比較(図3)オールドヴァイオリンの名器Stradivariと新作のコピー楽器Pygumarius Stradivari の比較 ⇒ 比較的類似近い音色を出すための楽器製作への応用性がある
アコースティックチェロとサイレントチェロを弾き、周波数解析を実施
- 音を周波数として表示し、周波数のスペクトル図を作成(図4)音の基音とその倍音の周波数(64、132、197、263 Hz)にピーク
- アコースティックチェロでは、高周波になるにつれてピークのパワーが弱くなり、より快い音に聴こえるのに対して、サイレントチェロでは、高周波帯ピークのパワーが大きい場合がある
応用例・用途
- 様々な楽器に応用することで、音質の違いと快い音との関係を明らかにできます。
- 他に、カオスと自然法則を用いた作曲やヒット音楽の解析 なども研究しています。
研究設備
- ハイスピードカメラ
- 3Dプリンタ
- 高速フーリエ変換アナライザ
- 大規模並列計算(MPS法)ソルバ