放熱性材料の熱伝導率精密測定 ~定常熱流法と温度傾斜法による測定例~(物理学系 山口俊久)

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放熱性材料の熱伝導率精密測定
~定常熱流法と温度傾斜法による測定例~

整理番号:2016-003


研究者名: 山口 俊久(Toshihisa Yamaguchi)
所  属: 理工学部 総合理工学科 物理学系 教授
専門分野:電気物性、物性実験、強誘電体
キーワード:極低温測定、熱伝導率、定常熱流法、温度傾斜法、アルミナイトライド

研究概要

コンピューターのCPUのように、発熱の大きいものには放熱用の熱伝導材料が必要である。この時、放熱性に優れた材料として銅やアルミニウム等の金属がある。一方、半導体素子と金属放熱板を直接接着すると熱膨張の差で劣化するため、熱膨張係数が傾斜したアルミニウム(Al)と窒化アルミニウム(AlN)による傾斜機能材料(Al/AlN)注)等が開発されている。その過程で、本研究室において定常熱流法と温度傾斜法による高精度測定を行った例を紹介する。

  • 定常熱流法は、熱伝導率の物理的な定義に忠実な測定法であり、他法に比べ、密度等の測定は必要なく、熱伝導率の絶対値を求めることができる。Al/AlN の傾斜機能材料を測定した結果を図1に示す。
  • 温度傾斜法は、熱伝導率既知の基準試料と未知の測定試料について、内部の温度勾配を比較して値を決定する相対測定法である。薄い板状試料にも対応しやすい。銅を測定した温度分布の結果を図2に示す。

注):AlとAlNの密度差を利用した遠心鋳造法により作製

図1 定常熱流法によるAl/AlN傾斜機能材料の熱伝導率

図2 温度傾斜法による銅測定試料の温度分布 標準試料:14 mmφの銅、伝熱板:インジウム 測定試料:厚さ4 mmの3種類の直径の銅

応用例・用途

  • 各種材料の熱伝導率を精密に測定することが可能である。
  • 長年の熱伝導率測定の成果や経験に基づいて、測定上の技術相談ができる。

研究設備

  • 極低温電気物性測定装置
  •  熱伝導率測定装置
  • 卓上単結晶引き上げ装置