極低温域までの熱膨張精密測定 ~単斜晶系強誘電体を用いた測定例~(物理学系 山口俊久)

Print Friendly, PDF & Email

極低温域までの熱膨張精密測定
~単斜晶系強誘電体を用いた測定例~

整理番号:2016-008


研究者名: 山口 俊久(Toshihisa Yamaguchi)
所  属: 理工学部 総合理工学科 物理学系 教授
専門分野:電気物性、物性実験、強誘電体
キーワード:極低温測定、熱膨張、強誘電体、硫酸三グリシン

研究概要

単斜晶系の結晶構造を持つ代表的な強誘電体として、硫酸三グリシンが知られているが、熱膨張測定では極低温までの広い温度域での測定は報告されていなかった。そこで、本研究室でクリップ型ストレインゲージ熱膨張計を用いて、極低温から400 K近くの温度範囲で熱膨張の高精度測定を行った結果を紹介する。

  • 我々が開発したクリップ型ストレインゲージ熱膨張計では、単斜晶系の3結晶軸方向a, b, cと更に独立なもう一つの方向a’に垂直な面を持つ六角柱試料(図1)で全ての成分を測定できる。
  • 本熱膨張計による結果(赤い曲線)と X線回折で測定した格子定数から求めた結果(青い丸)は良く一致していた(図2)。また、相転移点322.6 K付近で明確な変化が認められる。この熱膨張計で測定した単斜角βの温度依存性も同様にX線解析の結果と良く一致していた。

 

図1 クリップ型ストレインゲージ熱膨張計による 単斜晶系試料の測定 (a軸方向の測定例)

図2 熱膨張xa , xb , xcの温度依存性本測定法とX線解析結果の比較

図2 熱膨張xa , xb , xcの温度依存性 本測定法とX線解析結果の比較

応用例・用途

  • 本熱膨張計により、各種材料の熱膨張を精密に測定することが可能である。
  • 長年の強誘電体研究の成果や経験に基づいて、測定上の技術相談ができる。

研究設備

  • 極低温電気物性測定装置
  •  熱伝導率測定装置
  • 卓上単結晶引き上げ装置